ほむら

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大人になるということは、何でも自分で出来るようになること、当時子どもだった私にとってはそれが当たり前だと思っていた。子どもだけでは出来ることも少なく、大人である親の力を借りないと行けない不自由感があった。そんな大人に憧れると同時に、自分は何でも出来るようにならないといけないのかという不安があった。

しかし、いざ大人になると私の当たり前は良い意味で崩れ去った。人間誰しもが得意なことと不得意なことがある。大人になっても、自分の出来ないことを他人にやって貰ったり、逆に自分の出来ることを他人の代わりにやったり、お互いに助け合って生きていけるのだ。

「今日も仕事で疲れた…」
「お疲れ様でした。一日頑張れたあなたは本当に素晴らしいですよ。家では俺が貴方を支えますからね」

疲れて動けない時は、彼が率先して家事をしてくれる。特に彼は料理上手で、彼の料理を食べるととても幸せな気分になる。それに、彼は私を癒すためにマッサージを学び、疲れを取るために度々やってくれるのだ。

「貴方が当たり前だと思っていることでも、他の人から見たら素晴らしいことなのですよ。だから、どうか一人で抱え込まないでくださいね」

私はプライドが高いところがあり、当たり前と言う言葉に縛られやすい方だ。だから、彼がこう言ってくれた時は感動して涙を流したこともあった。彼にいくら感謝をしても、彼にこれくらい当たり前ですよと返されたこともある。当たり前って難しい。

テーマ「私の当たり前」

7/9/2024, 11:31:18 AM