「覚悟しろ、魔王!
お前を倒して、この世界に平和を取り戻す!」
「よくぞここまで来た、勇者よ!
この魔王にひれ伏すがよい!」
勇者は始まりの村から、
魔王は封印から解き放たれた時から。
何度、世界を救う旅に出たことだろう。
何度、世界を滅ぼそうとしただろう。
決まりきっている運命をなぞることに、両者は何を思うのか。
わかっていても、どちらも後に引かない。
勇者の旅には誰かの背中を押すための勇気を、
魔王の支配には目的のために立ちはだかる障害が存在することを見知らぬ誰かに伝えながら、それ以外を知らずに終わりまで進み続ける。そうしてまた旅立ち、封印から解き放たれる。
これからもずっと、そうして戦い続ける。
4/8/2024, 11:08:41 AM