とある恋人たちの日常。

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 なんかいい匂いがする。
 
 俺は重い身体を起こして、ゆっくりと目を開けた。
 
「ふあぁ……」
 
 身体を伸ばして深呼吸をする。呼吸とともにバターの良い香りが口に入ってきた。
 
 ぐうぅぅぅぅ……。
 
 身体が空腹を訴える。
 カーテンの隙間から光が差し込んでいた。時計に視線を送ると目覚ましより少し早く目を覚ましてしまったみたいだ。
 
 ベッドの隣りをさすると冷たい。
 と言うことは、隣で寝ているはずの恋人は結構早く起きたんだなと理解する。
 俺は匂いのする方へ誘われるように足を向けた。
 
 鈴鳴のような可愛い歌声が聞こえる。歌詞が分からないのか「ラララ」と奏でていた。
 
 彼女の後ろ姿は楽しそうで、嬉しそう。顔の緩みが止められないようなほどニコニコ笑いながらパンケーキを重ねていた。
 
「おはよう」
「あ、おはようございます!」
 
 俺を見つめると、頬を赤らめて幸せそうに笑ってくれる。
 
 もう、可愛いんだ。
 
 今日も一日、いい日になるな。
 
 
 
おわり
 
 
 
二九五、ラララ

3/7/2025, 12:11:43 PM