【現実逃避】
耳鳴り、空調の稼働音、時計が時を刻む音
車の音、風の音、人が話す声
環境音を耳から入れつつ
目覚めた瞬間から頭の中を巡るのは音楽たち
たくさんのお土産を抱えてはしゃぐ修学旅行生
慣れぬ乗り換えを調べて慌てるカップル
会社の同僚風の集団はお酒が入っている様で
そんな集団を視界に縁に収めつつ
いつも通り小説の世界に逃げ込んでみる
視線も意識も小説の世界に行っていたって
目の前の人が降りそうな気配に
ちゃんと気がつくもの
選択の余地なく自動的に流れる音楽は
頭の中だけでエンドレスにループする
思考をかき消すようにネット小説を読み漁る
気がついたらいつの間にかそうなっていた
現実逃避
なのだろうか?
現実を知覚し続ける傍ら、
今日もどこかで非現実に触れ続ける
現実から逃げようと
イヤホンで耳を塞いで、
太めの縁の眼鏡で視界を塞いで
それでも
雑音が消えた分、クリアになった遠くの話し声が
眼鏡の縁に区切られた視界の中、現れては消える何かが
気になって仕方ない
現実からうまく逃げられない
2/28/2026, 11:32:13 AM