廊下のイスに腰掛け、今か今かと待っていた。すると
「オギャーオギャー」
と、分娩室の中から声が聞こえる。
「おめでとうございます。女の子ですよ」
「ありがとうございます」
聞こえてきた会話に、俺はホッと胸を撫で下ろした。
「中へどうぞ」
しばらくそのまま待っていると、分娩室から出てきた看護師に中へと促される。
「ありがとうございます」
逸る気持ちを抑え、静かに中に入ると
「あ、あなた」
産まれたばかりの赤ちゃんを胸に抱き、キミは嬉しそうに微笑む。
「女の子よ」
「…ああ」
元気そうな赤ちゃん。胸にこみ上げる気持ちのまま
「お疲れさま。ありがとう」
妻に感謝を伝えると、妻の瞳から透明な涙が流れる。
その涙に、妻も赤ちゃんも俺が守る。と強く思うのだった。
1/17/2025, 6:47:46 AM