冬休みが始まって数日が過ぎた。彼は何もする気にならず、こたつに埋もれて一日を過ごしていた。リモコン片手にテレビを眺め、次第に内容が頭に入らなくなるほど無気力だった。カレンダーを見れば、休みが終わるまでまだ10日以上ある。それでも、何かしなければという焦りは湧いてこない。
「まあ、休むのも必要だよな」と、自分を言い聞かせるように呟き、近くに置いたスナック菓子の袋を手に取った。口の中で広がる濃い味のチーズが、唯一の満足感をもたらしてくれる。だが、袋が空になると、ほんの少しの罪悪感が彼の胸を刺した。「また何もせずに1日が終わるのか」と頭をよぎるが、体はこたつから動こうとしない。
彼は、冬休みの間にやろうと決めていたことがいくつかあった。読みかけの本を片付けることや、部屋の掃除をすること。年賀状を書くことすらまだ手付かずだ。だが、リストを思い出すたびに「明日やればいい」と思い直し、また同じループに戻るのだった。
外を見れば、白い雪が静かに積もっている。子供たちの笑い声が微かに聞こえた。彼らが元気よく遊ぶ姿を想像すると、自分自身の無気力さが余計に際立つようで、顔を背けた。
日が沈み、部屋が薄暗くなると、彼は少しだけ動いた。携帯を手に取り、SNSを眺める。友人たちは楽しそうに旅行や帰省を満喫している投稿を次々に上げている。その画面をぼんやりと見つめるうちに、彼はまたもや無為な時間を過ごしてしまったと気づいた。
「本当にこのままでいいのか?」自問してみるが、答えは出ない。そしてまた、こたつに潜り込み、次の朝を迎えるのだった。
12/28/2024, 10:14:34 AM