「誓のキスを」
友人の結婚式私は新婦の招待客として呼ばれた。
まぁと言ってもそこまで強い絆で結ばれている訳でもなく、大学に入れば連絡を取らない、それくらいの仲だ。
そう聞くとなぜ呼ばれたのかと疑問が湧くだろうが、そんなの私に知ったこっちゃない。が、まぁおおかた私の幼なじみが関係しているのだろうが、一先ずは置いておこう。
さて、では何故対して仲のいい友達では無い結婚式に出席したのかと言うと、新郎が私の初恋だからだ。
まあよくある話だろう。
それに「初恋は実らない」とかそんな言葉が世間に流れている訳だし。
私には忘れられない人がいる。
目の前でたいそう嬉しそうに泣いているその人だ。
今でも鮮明に思い出せる。
その人に会った時のことを。
私は幼なじみに連れられて高校2年の文化祭の打ち上げでその人に出会った。
いわゆる一目惚れだ。
そこからは結構頑張ったと思う。
興味がなかったメイク、オシャレ、そしてダイエットもした。
その人の隣になれるように勉強も頑張った。
その人に「なんか可愛くなった?」っと言われた時は天にも登れそうな気持ちだった。
でも私がその人に告白することはなかった。
いや告白する勇気が出なかったのだ。
その人には好きな人がいた、今目の前で笑っている彼女だ。
彼女は学校で有名だった。
なんせ容姿端麗、才色兼備、私が勝るとこなどひとつもなかった。
でも良かったのかもしれない。
その人と友人でいられたから。
私は忘れない、
勇気を出せなかったあの時を。
8/21/2025, 1:57:07 AM