【さよならは言わないで】
「なんでこんなんになっちゃったんだろうね…?」
泣きながら君は僕にそう問いかけてきた。僕だって分からないし、君にだって分からない。
終わりを迎えたくない僕はずっと君を抱きしめていた。
君もそれを理解してくれて、抱きしめ返してくれた。
本当になんでこんなんになっちゃったんだろ…。
時間は一瞬で過ぎ去ってもう別れの時間に_。
「じゃあ、もうさよならだね」
「さよならは言わないで」
食いつくように君は叫んだ。
「うん、ごめん。じゃあ、またね」
「…うん、またね」
次に会うときは、《恋人》ではなく《知り合い》になるのを知っているからもう一生出会いたくはなかった。
12/3/2023, 1:41:20 PM