炎炎としている部屋。警報音。外からはやけに騒がしい声。呼吸をするたびに意識を手放したくなる。生まれてこの方、歩くというものを知らない。走るというものはまた夢の夢だ。私はこの四角い縁からしか外を見る術がない。どんなに知識として手に入れたってこの目で見てみたいと思ってしまう。ああ、今は身体が軽くて背中から翼でも生やして空へと飛べる気分だ。まだ見ぬ景色を求めて──。私はゆっくりと目を閉じた。:まだ見ぬ景色
1/13/2025, 10:53:36 PM