神埜

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#時計の針

チクタクと私たちは無言のまま、時計の針だけが未来に進む音が部屋に響く。

「ねぇ、もう良いでしょう?」
やっと絞り出した声は震えていた。
「もうあなたには付き合ってられないの。別れて。」

私のそんな言葉に、ずっと机の上を凝視していた彼がその瞳に私を映した。

「...嫌だ。僕は別れたくない。君と、まだ一緒に居たい」
最後の方は涙声になっていて、目元からはポロポロと大粒の涙が溢れていた。

本当は、私だって別れたくない。それでも、もう私に残された時間はほんの少ししかない。それを彼には悟られたくなくて、乱暴に立ち上がった。

「私は、もうあなたと一緒に居たくないの。あなたが出ていかないなら私が出てく。」

彼の伸ばした手はもう届かない。
涙は彼にバレなかったかな。バレでなければ、いいなぁ。

2/6/2024, 2:41:32 PM