「鳥になりたい」
通りすがった親子の会話が聞こえた
4歳くらいの男の子が目を輝かせていた
鳥のように飛べたなら
どこへでも行けるのだろう
あの青い空の果てでも
木漏れ日のさす木の中へでも
時間に縛られることもなく
隣の家の庭になっているような
高い位置の木の実なんかも食べられる
小鳥なら
道行く人々に可愛がってももらえるだろう
木のうろの中で休むことも楽しそうだ
大きな鳥なら
その羽根を広げて果てなくどこへでも行けるだろう
海をも超えて行けるかもしれない
何ものにも捕らわれず
自分の意志の赴くまま
でもその自由を謳歌する羽を切り落とされたなら――
自由と意思と尊厳すらも無くなってしまう
いたずらに自然に弄ばれた後
ただの骸になるしかないだろう
それでも君は
鳥のようになりたいと思うのかい?
/『鳥のように』8/21
8/22/2023, 7:06:47 AM