淡時間

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『ただひとりの君へ』

ただひとりのあなたへ

私ができなかったことは

幾つも、幾つも、幾つでも

湿気た花火達が教えてくれていて


なにひとつ、たったのひとつも

果たせなかったまま始まる季節は

何度も、何度も、何度でも

寄せては返す波と一緒に去っていった


ひとひとり居なくなった砂浜で

裸足のままかき集めた冷たい砂は

掬って、掬って、掬っても

私の熱を奪いながら零れ落ちている

1/20/2025, 5:19:23 AM