「透明な涙」
涙には色々な記憶がある。
小さい頃の私は泣き虫でよく泣いていた。
幼稚園の制服の袖が涙でシミができていたそうだ。
次の記憶は祖母が亡くなった時。
闘病生活が長く、母も介護で疲れ切っていたし、体調も崩してたくらいだった。危篤になってからも、まだ若かったから1ヶ月は危篤が続いた。
亡くなる間際に、祖母の手を握ると水っぽく汗のようなのが出ていて、もう腎臓がだいぶ機能してなかったのだと思う。
亡くなってすぐは涙は出なかったが、
棺に入って、自宅に帰ってきた祖母を見た時、ワッと涙が溢れ出た。
それから、成長して、学生になって恋をして、別れたとき。
泣いても泣いても涙が止まらなくて、目が痛かった。
涙が枯れ果てると言う経験をした。
そして、十数年後、私は病気になった。
薬のせいか、病気のせいか、
悲しくても泣けなくなった。
今は病気もだいぶ回復して、悲しい時には涙するようになったのだが、
あの、涙が出ない、感情が欠落してしまったような状態はどうしてそうなったのだろう。
脳がそうさせてるのか、心が壊れてしまったのか、
私はずっと心だと思っていたけれど、
これに関してはきっと脳が何かエラー起こしてたんだと思う。
1/16/2025, 12:46:53 PM