飛べない翼
「飛べない鳥ってなんで飛べないの?」
「いつも以上にざっくばらんとした質問だな、後輩」
「あ、キーウィも飛べないの? かわいい」
「かわいいの好きだね、姉(あね)さん」
「飛ばなくてもいいから止めたんだよ。でも、ペンギンは泳ぐため、ダチョウは走るため。空飛べなくても奴らにとって必要不可欠なものってのには変わりねーぞ。馬鹿にしないように」
「キーウィは?」
「あいつは完全に羽が退化してるから飛ばない。ないし飛べない」
「外敵がいないから空を飛ぶ必要がなくなったんだって本で読んだ気がする。そのせいで絶滅危惧種になったっても書いてたような……」
「ドードーの二の舞にならないといいな。飛べなくても、姉みたいな奴が守ってくれるからなんとかなるんだろ」
「鳥じゃないけど蚕も飛べないんだよね? それはそうとお蚕様も白くてふわふわでかわいい」
「飛べないからかわいいって思うの?」
「かわいいから飛ばなくたっていいんだろ」
飛べないのか、飛ばないのか。理由はなんであれ、臨機応変っていい言葉と姿勢だよねって思う。空を飛ばなくても大事な役目を果たせるならそれでいいんだよ。
話のオチ? どっかに吹き飛ばされてなくなっちゃったよ。読んでくれた君の肩の力が抜けたなら、どんな小話だって意味あるんじゃない?
(いつもの3人シリーズ)
11/11/2024, 10:47:04 AM