今日は二階にある喫茶店で待ち合わせをしていた。
青年の仕事と、恋人の仕事の都合を考えて、この喫茶店で待ち合わせにした。
ぽこん。
スマホに通知が来る。青年はスマホを見つめた。
『もう少しで着きそうです。遅くなってごめんなさい』
今日、出社する人も少なく、引き継ぎがなかなか出来ずに会社を出るのが遅くなった。そう連絡は貰っていた。
それでも、遅くなってごめんなさいと言ってくるのが、実に彼女らしいなと、青年は小さく笑ってしまう。
そうこうしている間に喫茶店の窓から、彼女の姿を見つけた。
相当慌てていたのか、髪の毛が跳ねているのが分かり、胸が暖かくなって笑ってしまった。
頬を付きながら、彼女を愛おしそうに見つめる。
「俺は待つのも楽しいけれどね」
おわり
お題:窓越しに見えるのは
7/1/2024, 11:55:52 AM