「鋭い眼差し」
君と初めて会った日、その鋭い眼差しに恋をした。
こちらを見定めるような真っ黒な瞳や、真っ白で柔らかい手。心臓が速くなり、この上ないぐらい緊張しているのが自分でもわかる。勇気を出して声をかけたが、逃げられてしまった。俺は身長が高い方だからか、威圧感があったのだろうか。
後日同じ場所を通ると、また君の姿を見つけた。思わず駆け寄ると、またお前か、とでも言うような君の視線が刺さった。めげずに必死にアプローチすると、こちらを向いて話してくれた。それが嬉しくて、家に帰っては思い出した。
それから3年経ち、俺たちは同棲生活を送っている。最初は離れた場所で寝ていたが今は一緒の布団で寝ている。さらに、名前を呼ぶと返事をしてくれたりと幸せいっぱいだ。一緒にいられる時間は長くないが、最近は君のために色々工夫しているところだ。この前ネットで買った猫草がお気に入りのようで、こっちを見ようともせず
ずっと食べている。少し寂しいが、そんなところが好きで好きで仕方がないのだ。
10/15/2023, 12:13:50 PM