行き先を知らされずにドライブに誘われた。
ドライブデートには華やかなスカートがいいよ、と友人が言うので思い切ってコスモス柄のスカートを新調して着ていった。勇気のいる柄だけれど、紺地に白のコスモスなので、地味な私にも似合っていると思う。
当日迎えに来てくれたあなたは、助手席に座る私のスカートを見て言った。
行き先、変えよ。
変えるも何も、私どこに行くか知らされていないけど。
よく考えたら行き先知らされていないって、いくら私が好きな相手だからって無用心すぎたのかと、今更気がつく。
付き合ってもいないのに、知らない場所へのドライブに一つ返事で行くのはいいイメージではないのかな。
どうしよう、私、とんでもない選択した?
不安だからなのか普段は強いはずの車に酔ってしまい不覚にも私は寝てしまっていた。
隣で彼が、大丈夫?とお水を差し出してくれたり、スピードを落としながら運転してくれたのを感じながら眠りに落ちた。
ついたよ
優しい声で起こされた私の目に入ってきたのは一面のコスモス。
ピンクや薄紫、牡丹色など、鮮やかなコスモス。
わあ、綺麗!
嬉しそうに車のドアを開けて走り出す私の姿を優しい眼差しの彼が眺めていた。
1輪のコスモス
10/11/2025, 3:24:23 AM