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隣の席の少女はとても不思議

 授業中は何時も、雲を見ながら小声で歌を(其時の雲の形を独特なリズムで)歌うし、体育のときはジャージ姿でファンタジー小説に出てくる踊子のように艶かしく舞う。何度か教師に注意されていたが、「ありゃ、迷惑やったかな……」とオニキス色の目を揺らしつつ、滑らかに視線を教師と合わせる。結局どんな教師もなぁなぁにしてまた授業を続ける。
 
 悪気のない清らか、手も届かず触れようもない、僕にとってそういう存在。

今日も意味なく貴女を見つめてしまう

11/8/2023, 12:44:01 PM