ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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星座

星座ってのは理不尽なもんだなあ。いま見える、ほらあれはアンドロメダ座だ。アンドロメダのαは97光年離れてる。アンドロメダ銀河は250万光年遠くだ。とんでもなく離れたものが地球では同じ星座に並んでる。250万光年も離れてるってことは、時間もそれだけ違うんだぜ。そのまるで違うものが並んで見えるって、めちゃくちゃ理不尽で不思議だよなあ。

ジイさんは饒舌に語ったあと眠ってしまった。ほくは宇宙船の窓から宇宙を見上げる。ぼくたちが地球を離れて40年。アンドロメダ座はもうアンドロメダ座の形をなしていないらしい。船生まれのぼくはそもそもの星座を書物と映像でしか知らない。星座というのは不思議なものだ。時間も空間も離れたものを見かけだけでまとめてみなした美しい虚像。

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星座の話は大好きです。こどものころ草下英明や藤井旭の星座の本が好きでよく読みました。野尻抱影もいくらか読みました。特に好きな星座はからす座です。春の夜空のからす座はぴんと張ったヨットの帆のようでどこかに進んでゆきそうな気がします。夏の夜空のとかげ座といるか座と、こと座とかんむり座も好きです。天の川の中にある小さな星座のような小ぢんまりした星座が好きです。

冬の星座は明るくて派手なのが多いですが、小さな星座もあります。私は以前「オリオンの足に踏まれたうさぎ座のそのまた下の星みたいな人」という短歌を書きました。ちなみにうさぎ座の下にあるのはハト座。暗い星ばかりの小さな星座ですが、ノアの方舟にオリーブの葉を運んだハトだそうで、なんとなく希望を運びそう。

「時間も空間も離れたものがひとつの瞬間に出会ったもの」を星座(Konstellation)と見なす元ネタはヴァルター・ベンヤミンです。私たちの思考はそれぞれ違う唯一無二の星座なんだと思います。

10/5/2024, 11:19:26 AM