君と飛び立つ Midnight Blue 遠雷 です。
書けた分だけですが、よろしくお願いします。
君と飛び立つ
君と飛び立つとしたら、どこに行こう?
どこへ?か。…そうだなぁ。俺たちを知る人がいないところへ。
でもそれって、淋しくない?
うーん、淋しくない。と言ったら嘘になりそうだけど、俺には君がいるから大丈夫。愛する君だけがいれば、淋しくても辛くても、やっていける。
そっか。あなたは強いね。
いやいや、俺は強くないでしょ。
え?
だって、俺には君がいないとダメなんだよ。君がいなかったら俺は、何もできやしない。君がいるなら、俺は強くなれるかも。いや、君のために強くなってみせるよ。
ありがとう。何だかやれそうな気がしてきた。
でしょ?俺たちなら大丈夫。お互いがいればね。
俺たちならどこに飛び立とうが大丈夫。何とかなる。そう強く思えたのだった。
Midnight Blue
「見てみて。Midnight Blueがどこまでもひろがってるよ」
両手を広げ、砂浜ではしゃぐキミ。俺は、キミと2人で深夜の海を見に来ていた。
「ホントだな」
闇のように深い青。夜空の星や月の輝きで、より一層、深い青に見える。まるで、闇に落ちてしまいそうなくらいに。
「あと数時間後には、ここで撮影だね」
「ああ」
ウェディングフォトを撮るため、お願いしたフォトスタジオの方たちより早めに来た俺たち。この日が来るのを楽しみにしていたからか、よく眠れず、外に出て来たのだ。
「…こんなに遅い時間はムリだろうけど、夜も撮りたいな」
夜空を見上げ、つぶやくキミ。
「そうだな、お願いしてみるか」
太陽に照らされ、ギラギラ輝くSea Blueと、月と星たちに静かに照らされ闇に支配されそうなMidnight Blueを背景に、撮る写真。どう写るのか、俺も見てみたくなった。
「ま、いつ撮っても、キミが1番輝いていることは間違いないだろうけど」
「え?」
恥ずかしいのか、両頬を押さえるキミ。そんなキミを微笑ましく思いながら、昼と夜の顔の違いを楽しみにする俺なのでした。
遠雷
遠くの方で鳴っている雷。遠雷を聞きながら、俺は彼女の家へ向かっていた。
「…なんとなく、だんだんと音が大きくなっているような…」
雷は、正直苦手な俺。できるなら、雷が鳴りそうな日に出かけたくはないのだが、具合が悪いという彼女のため、そうも言っていられない。
「ちょっと風邪気味なだけだから、心配しないでね」
電話口で彼女はそう言っていたけれど、それを知ってしまったら、居ても立ってもいられず、気がつけば、車に乗り込んでいた。
「あ、雨が降ってきた…」
苦手な雷の方に向かっているかも。と気付きながらも、彼女の身を案じ、車を走らせるのだった。
8/27/2025, 9:38:52 AM