サブスクを頼りに、お気に入りの音楽に浸る。こういう時は現代の利便性をありがたく、愛しく思う。
プレイリストは好きなアーティストが公開して間もないもの。あの人が組んだ、あの人も聴いた。そう思うだけで幸福度は増す。自分の単純さを感じながら朝のルーティンをこなしていく。
目覚めてまず机に向かうのが自分の決め事。ここは書き物用の場所。ブラウンのペン立てにはボールペンからはさみまで、様々がずらりと並ぶ。その隣りには白い木目のディスプレイ。小瓶に詰めた小さな小さな宝石たち。数冊のノートは用途別に分かれている。
そのうちの一冊をひらいた。書き始めてから一ヶ月が経って、もう明日の分で終わるページ。
そういえば、最後に手紙を書いたのはいつだっけ。
ふと、懐かしいことを思い出す。新しいことは好きだ。けど同じくらいアナログなことも好き。そんな性分なので、昔は何人か文通相手がいた。
便箋を選ぶ時間、もらった手紙を読む時間、返事を書く時間、切手を選んで貼る時間、ポストに投函しに行く時間。
そのどれもが好きだった。
傍らでスマホが短く振動する。見慣れた緑色のマークが通知に流れ込んだ。
いつの間にか色んなものがこうしてひとつに集約されて、便利になった。だけど、自分の好きなものが途絶えてしまわないように、好きを忘れずに生きていきたいなぁと、まだ覚めきらない頭でぼんやり思う。
〉1件のLINE
7/11/2022, 9:10:32 PM