かの著名な作家はI love youを月が綺麗ですねと訳した。またある作家は死んでも良いわと。
死んでも良いほど愛せる気持ちがわからない。好きと伝えるのが恥ずかしいから月を褒める気持ちもわからない。一生知ることもないと思っていた。
「わ、私は、あなたのこと好きですよ」
真っ赤な顔で、絞り出すような声で、恥ずかしそうに言うもんだからこっちにまで照れがうつって仕方がない。
「ぼくも、君のことが...」
なんてことだ。好きですの一言が喉にしがみついて出ようとしない。「好き」と言う言葉は照れ屋すぎやしないか?
「つっ、月が綺麗ですね!?」
「え、あ、はい...?」
伝わらない。おいどうなっているのだ先人たちよ。あんたらが決めた日本語訳が全く通じないではないか!
「し、死んでも良い!」
「それは困ります!」
くそう、これもダメなのか!
どうやって言うんだ!?I love youだなんて!
6/12/2025, 10:53:44 AM