踊るように
将来の夢という題名の作文は周りに合わせて、お花屋さん、パティシエ、先生…。適当に夢を語って、周りの大人の反応を気にしていた。大人が求めている答えを知っていた、いや知りすぎていた。小さい頃から、夢などなかった。いや、そう自分に言い聞かせていた。
書くのが怖かった、何か言われるのが怖かった。心の奥底で強く音が鳴りひびいていた。その音に気づかないふりをした。ただ、あのとき本当は願っていたのかもしれない、ダンサーになりたいと。ただあのとき書きたくてたまらなかったのかもしれない、踊りたいと。踊るように書きたいと。
9/7/2024, 6:32:48 PM