サルサは勉強帰りにふと見た本に『星に願えば、どんなことでも叶う』なんてタイトルがついてるのを見つけてしまった。
そんなことを言われて無視できる性格では残念ながらなかったサルサは、眠ろうと目を瞑ったときに思い返してしまった。
俗説ではあろう、と思う一方でもしかしたら本当かもしれないという気持ちも湧いてくる。なにせ、星の欠片が落ちてくる世界なのだ。何が起こっても対して驚きはしない。
そんな気持ちと共にちょっとした好奇心で彼はベットから起き上がってカーテンを開いて、キラキラと輝く星に向かって『明日は何かいい事が起こりますように』と願ってから眠りについた。
次の日。さして何か特別なことが起こったわけではなかったサルサは勉強終わりに小さくため息をついた。隣にいたウィルが首をかしげながら尋ねる。
「どうか、しましたか?」
サルサは慌てたような声で弁明をする。
「いや、別に……! 昨日『星に願えばどんなことでも叶う』って書いてあるのを見て『何かいいことがあったらいいな』とか願ったりしただけで……」
「ふふ。それは子供だましの俗説のようなものですが……。私が星の代わりに願いを叶えてあげましょうか。何がいいですか?」
ウィルは優しい笑顔でそう言った。
「じゃあ……何かお菓子が食べたいです」
サルサは星を宿したようなキラキラした瞳でそう言った。
2/11/2025, 9:55:37 AM