お題『ベルの音』
小学4年生の頃私(わたし)は学校から帰るとすぐにハル、〔越鳥(えっちょう)春美(はるみ)〕の家へ遊びに行っていた。私より後から来た転校生のハルは日本人の父とニュージランドの母の間に生まれたハーフだ。
転校初日、ハルの周りは質問ばかりするクラスメイトに囲まれていた。困り果てていたところを真珠星(すぴか)が助けたのがきっかけで二人は仲良くなった。
ある日いつものようにハルの家で遊んでいるとシャンシャン、リンリンと鈴の音が家中に鳴り響いていた。
真珠星「クリスマスのベルの音みたいで綺麗だね」
ハル「Yes。もうすぐクリスマスで、NZ L(ニュージランド)のフレンドがワタシの家でクリスマスパーティーを開くの。その時にママが歌を披露するみたいなの。夕方になると鈴を鳴らして練習してる」
真珠星「へぇ。ハルは歌わないの?」
ハル「ワタシは歌わないわ。去年とても恥ずかしい思いをしたから」
真珠星「何があったの?教えてくれる?」
ハルは誰にも内緒よと言いながらカタコトの日本語で教えてくれた。
ハルは自分が自覚しているくらい音痴である。パーティー当日とても緊張しまい練習の時より音程がめちゃくちゃになりピアノの伴奏を狂わしてしまい、とても笑い者にされたらしい。それからというのも合唱は全て口パクになったと内緒の話を語った。
End
12/21/2024, 9:02:48 AM