ドヤ街で出会った酔っぱらい。
朝からウイスキーをラッパ飲みして
そうでもしなきゃ
生きてられない
そうまでしてでも
生きてゆくのさ。
「仕事は、あんまりないぞ」と彼は言う。
「お前は、何ができる」と聞かれた。
「俺は、あんたみたいにタフじゃない」
と、言うと
「ふざけるな!お前にしかできない事を聞いてるんじゃない。
お前が出来る事を聞いてるんだ!」
ウイスキーを少し、もらった。
アツいものが喉から下がって行く。
「お前は何ができる!」
苦しまぎれに俺は言った。
「俺は、海を」
「なに?」
「俺は海を見に行く事が出来る」
男は、ウイスキーを多めに流しこみ、うなだれた。
俺は、言った。
「それも、夜に」
野良ネコが、小さくないた。
8/15/2023, 10:50:55 AM