お題:快晴
「ニチニチコレコウジツ。ホウホンハンシ」
じいちゃんが、いつも言っていた。そしてそれは、毎朝毎夕に神社と墓へ詣で手を合わせる理由の答えだった。じいちゃんは、ポカンとする俺の頭をポンポンと撫でて、笑って茶をすすっていた。
「日々是好日。報本反始」
腕に巻かれた包帯を見ながら、手を握って、開いてを繰り返す。
「軽症で良かったな」
「うん」
父さんは運転をしながら、ちらりと俺を見た。絆創膏に、包帯に、青あざに、痛々しい見た目に反して骨折もしていない。
「跳ねられたって聞いたときは、血の気が引いたよ」
「俺も。死んだかと思った」
たぶん、神様が見ていてくれた。たぶん、じいちゃんが護ってくれた。
「お礼を言いにいかないと」
「今日くらいは神様もじいちゃんも休めっていうぞ」
「うん。でも、今日だから言いに行きたい」
日々是好日、報本反始。穏やかな日常に感謝して。
4/13/2024, 3:12:43 PM