俺には気になる人がいる。
怪我をしたのをきっかけに出会った彼女で、見た目通りにおっちょこちょいだからしょっちゅう病院に来ていてさ。俺が当直のタイミングで来るから顔を覚えちゃったんだ。
自然と挨拶するようになったし、本当によく怪我してくるから心配になって彼女を追うようになっていた。
そして、少しづつ強くなって行く彼女を見守ることになる。怪我も減って病院に来なくなり、この都市にも慣れて友達が増えていく彼女に寂しさを覚えたんだ。
俺が、見守っていたのに……。
心の中に寂しさと一緒にトゲのようなものが抜けなくて、ずっと引っかかる。
それは何かに落ちる予感をさせていた。
おわり
五二三、予感
10/21/2025, 1:11:33 PM