夢見る心。
「いってらしゃいませ」の清々しい声がフロント内で響く。
「あの……、ちょっとよろしいですか?」
ハッとするほどの美しい女性が声をかけてきた。
「どうされました?」
カウンター越しに僕はフロントマンとして応対した。
「私は貴方の接客が気に入りました。良かったら私と仲良くして貰えませんか?」
「はい、喜んで!」
「ではライン交換しますか」
「はい、必ず返信いたしますのでご安心ください」
僕に断る理由はない。
ついに僕の良さが分かる女性が現れたのだ。
この日を迎えるまで長かった……。
彼女とのラインやTV電話の時間が愛おしかった。
やがて僕達は結婚を前提の真剣交際に発展した。
お母さんついにやったよ!
これで天国にいる親父やお婆ちゃんにいい報告ができる。
彼女は神奈川県在住、僕は宮崎県で働いているので支配人に転勤を申し出た。
「そうか、寂しくなるな…。今まで当館に尽くしてくれてありがとう!神奈川県に行っても頑張れよ!」
支配人は心良く送り出してくれた。
「はい、3年間色々とありがとうございました」
僕は深々と頭を下げた。
「風雪さん、お世話になりました。いつまでも元気でね、末永くお幸せに……」
フロントスタッフや清掃スタッフとも今日で最後だ。
「ありがとう!みんなも元気でね!みんなで頑張ってね!」
僕は手を大きく振って別れた。
宮崎県では様々な事を経験して成長した。
神奈川県では彼女を幸せにする為、ついに支配人に挑戦する。
新たなステージに向けて、僕はトランク1つで飛行機に乗り込んだ。
栄光と幸せを掴むのだ。
宮崎県 風雲龍虎編 完。
こんなこと夢でも見たことないのだ。
4/17/2026, 7:53:13 AM