教室の窓からは、一本の木が見える。何と言う種類の木なのかは知らないが、紅葉して、葉を綺麗に赤色に染めていた。
よく晴れた秋の昼。私は窓際の席で頬杖をつき、その葉が落ちていく様を眺めていた。
ひらり。ひらり。
舞い落ちる姿は美しくて、見ていて飽きなかった。
落ちた葉は、地面に赤い絨毯のように広がっていた。
次の日は、嵐だった。ぐわんぐわんと風が吹き、雨が窓にバタバタと打ち付けた。
あの木も風にあおられて、ボロボロと葉を散らしていた。
さらに次の日。前日の嵐が嘘のような秋晴れだった。
あの木は嵐でだいぶ葉を散らしてしまって、残った葉はもう数えるほどしかなかった。
赤い絨毯のようだった落ち葉も、嵐で吹き溜まり、ぐちゃぐちゃになっていて、もう見る影もなかった。
私は窓際の席で頬杖をつき、木をボーっと眺めていた。
一昨日と比べて、すっかり様変わりしてしまったその姿に、近づいてくる冬の気配を感じた。
哀愁を誘われて、私は小さくため息をついた。
11/5/2024, 8:59:57 AM