〔子犬〕
「ねえねえ」
「んー?なーにー?」
「光速で移動してれば実質タイムマシーンでしょ?」
「相対性理論の話?実は相対性理論ってね・・・」
彼が隣でこういったような話をしてくれている時間がなによりも楽しい。
私の知らないこと、理解するのが難しい話だって一個一個説明してくれる。
同学年だとは思えないくらい博識でいろんなことを知ってる。
すごく難しい話をしてるのに、隣を歩く彼の目は少年そのもので、目の輝きはまるで子犬のよう。
高校生2人が住宅街を歩く。
ある人には恋人、ある人には先輩後輩、そしてある人には兄妹に見えるであろう、そんな距離感。
公園に向かう足取りは軽い。
「公園も楽しいけど、歩いてるこの時間がお気に入りなんだー」
とかは恥ずかしくて言えないけど、
公園が近づくと思わず歩くスピードを落としてしまう。
彼は歩幅合わせてくれて、また好きになる。
この時間が続けば良いのに…
そう思いながらまた質問する。
「ねえねえ、タイムマシーンがあったらどこお散歩いきたい?」
#タイムマシーン:11
1/22/2023, 2:29:19 PM