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部屋の片隅で

ボクは埃の気持ちになりたい。
と、言われても困るだろう。

埃は部屋の片隅で、ポツン、といる。
部屋の掃除をいくらしても絶対にいる埃には頭を悩ませる。
最近は放置しがちだが、掃除しないとな。と思った。

そんなボクは埃になってみたい。
埃はポツンといる、そう、ボクはポツンとその場に居てみたい。

何もせず、ボーっと天井と床を眺めて、汚くてふわふわした体で、人間に白い目で見られながら、掃除されるまで、部屋の片隅で居座ってみたい。

そもそも埃はどんな気持ちでそこにいるんだろうか?
もしかしたら、早く掃除されたいのか?
あるいは、人間と結婚したいのか?
うーん、それとも、部屋と一体化したいのか?
いや、または、ただ何も考えずにその場にいるだけかもしれない。

埃って、生きるの大変そうだが、楽そうだと思う。
だって、いつの間にかそこに居られるし、
いつの間にか掃除されている。

気づいたら埃としての人生は始まり、終わるんだろうな。
なんて思うと、更にボクは掃除してない埃を見て、
どんな気持ちかを考えたくなる。

埃って、どんな気持ちで住んでいる人間を見ているんだろうか?
もしかしたら、憎んでるかもしれないし、微笑ましく思っているかもしれない。あるいは、同じ種類として見られているかもしれない?なんて、無限に考える頭の中は埃のことでいっぱいだ。
いつの間にか考えが増える辺りは、ボクは埃かもしれない。
と、思い、一人で笑顔になるボクを変人だと思うのは正解だ。

ああ、部屋の片隅で埃になってみたい。

12/7/2024, 1:59:44 PM