特別な存在
記憶の中の決して戻ることのない日々にいる彼らはいつまでも私の特別な存在。
何気ないありふれたものだったはずだ。
けれど、二度と帰ってこないあの日常がたまらなく愛おしくて、かけがえのないものになった。
過去に戻ることはできないから、いい思い出はこれ以上ないほどに美しいカバーをかけられる。
戻ることができてしまったらきっと、美しくもなんともないんだろう。
無情にも時は止まることなく、戻ることなく進む。
だから忘れ去られてしまうことがあって当たり前で、それでもなお覚えていたいと思う記憶がずっと鮮明に宝石のように光り輝く。
届くことはない。だからこそ眩しい。
時の流れによって少しづつ形が変わってしまったとしても、その記憶たちは美しい形になるように、綺麗な形になるようになっている。
今の私が思い出すあの日々の記憶は、どれをとってもキラキラしていて眩しい。
何気ない日々がかけがえのない日々へと変わるのは、それが二度と戻ってこなくなる時だ。
記憶の中の特別な存在。
かけがえのない愛しい日々を共に過ごした仲間。
彼らはずっと美しく綺麗なままで、私の記憶に映っている。
3/23/2024, 2:12:34 PM