「ほらよ」
突如男は親友に「ぽん」と小袋を渡す。
袋を縛っていた紐をほどくと中から小粒の甘い星が溢れるように入っていた。
「この前夜中にコンビニ行ったときにお前ずっと夜空見てたじゃん。こんぺいとう食べたくなったんかー?……って」
「お前が食べたいだけだろ」
あははー?ばれた?、と照れながら男は小袋に入っていたこんぺいとうをいくつか掴み口に運んだ。
――あの日の夜は月を眺めていた。星も輝いていたのかと思うがよく覚えてない。
親友もこんぺいとうをつまみながらあれこれ考え込む。
「……なあ」
月とそれから星が溢れる空をよく眺めてみたい――
親友の珍しい提案に男は二つ返事で引き受けた。
3/15/2024, 1:28:55 PM