宵風に吹かれたい

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学年1位のお前と学年2位の俺の逃避行。

「せっかくだし冒険しようぜ!」

少年のように無邪気な笑顔でお前は言った。俺が見たことないような顔だった。もしかしたら今までは「学年1位の優等生」というレッテルの手前、見せたくても見せられない部分だったのかもしれない。
でも、俺はお前のそんなとこを見れてるんだよな。なんだか優越感に浸れた。
そうだな、お前とならどこまでも行けるよ。

そこから俺たちはどこまでいったかな。
手を繋いで、走って、止まって、笑い合って、人目のない場所を歩いていたかな。そんな時お前が言った。

「お前はさ、男と恋愛っていう冒険はどうかな。」

不安そうな顔に胸が高鳴る感覚を覚えた。
そうか、俺の優越感は「好きな人を自分だけのものにできた」から来るものだったのか。
それを知ってしまえばお前の誘いに乗るしかない。
勿論だ。と

これからは
   学年1位のお前と学年2位の俺の
           落ちこぼれ恋愛冒険物語だ。

7/11/2025, 4:44:35 AM