sunao

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子供のように、一心に、
高く、高く、跳ぼうとする。

鋭い眼差しは空を睨む。

数歩のかけ足の後、
やわらかな光の中、彼の身体はふわりと浮く。

その瞬間、その光景は、忘れたくても忘れられない。
瞳と心に焼き付いた。

秋晴れの空の下
落下していく彼と視線がすれ違いになった気がした。

始まりはいつも突然で、瞬間だ。

その後歓喜の声が会場内を包んだので、
わたしもいっしょになって声が枯れるまでなにかを叫んだ。

歓喜の声が止んだ後は、
収まらない気持ちをどうしようもなくて、
衣替えで出したばかりのマフラーに、ほてった顔を埋めた。




120作突破記念
「衣替え」

前回 10/13 110作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。

10/23/2024, 8:48:14 AM