シロツメ ナナシ

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『手紙の行方』


目や耳でそれぞれ働く
忙しい手紙屋さん
幸福・不幸の手紙箱
それぞれ手紙を分けていく

もしも幸福の箱ならば
それは喜びや楽しみと
アロマの香りに包まれる

だけど今の手紙屋さん
疲れきって分けられない
どれを見たって聞いたって
不幸の箱に入れてしまう
そこの手紙は燃やされて
怒り悲しみ苦しみと
辛いと言う名の煙に変わり
他のみんなも辛い辛い…

子どもと子猫がやってきた
違う箱を持ってきた

箱の名前はそれぞれこう
「決めなくていい」と
「選んでいい」
そしてもひとつ「どちらでもいい」
それらの箱に入れたなら
ゆっくりそっと、燃やしてく
そこから出てくる「真実」を
正しくえらんで、読んでいく

選ぶ量は増えたけど
「選ばない」も選択肢
だからなんだか楽しそう

これなら過去の山積みの
手紙たちも少しずつ
わけれるその日も
来るかもしれない


〜シロツメ ナナシ〜

2/19/2025, 1:20:14 AM