私の身長は、152センチ。
私の頭の先から大体50センチ上にある横長の格子窓から見える外の景色が、私の全て。
物心ついた時から私はこの部屋で監禁されていた。
とは言っても、私が望むものはなんでも貰えたから本などで色んな教養を得た。
毎日ご飯を持ってくる人が、何でも教えてくれた。
格子窓から見える外は、青かった。
青々と茂った雑草と、雲ひとつ無い青空。
ここは半地下のようで、格子窓の底辺が地上の地面になっている。
……ここで、机にあるパソコンのメモ機能の文章は途切れていた。
きっと、遅かった。あの格子窓から、この子は新しい世界を見つけた。
何も出来ないだろうとあの男をほっておいたのが間違いだったんだろうか。
椅子に座り、窓を眺めてみる。
あぁ、青くて綺麗だ。
きっと、俺はあの子を、娘を縛り過ぎた。
いくら娘が悪だからって、外に出るのは許してやればよかった。
あの子の母親……つまり俺の妻は、あの子に殺された。
物心がつく前から、蟻などの虫をよく潰しているのを見ていた。
おかしいと感じのは、うちで飼っている犬を痛め付けているのを見つけてしまった時。
それから俺はこの家にあの子を監禁したけれど、外に出さないのは良くないと思って、妻が屋上で娘を遊ばせていた時だった。
妻を突き落とした。
それから、決してあの子を出すことはなくなった。
この世界に、あの子は合わないのだ。
済まなかった、もっと違うやり方があったのだろうか。
今悔やんでも、意味が無い。
窓から見える景色は、雨が降っていた。
#窓から見える景色
9/26/2023, 9:59:40 AM