◎あなたへの贈り物
#44
───これはとある者たちの
ちょっとした日常である
小型の物を胸に抱いて訪れるひとを待つ。
彼はこちらに気付いたようで片手を振って駆け寄ってきた。
「おはよう。はい、プレゼント」
私が手に持つ物を見て笑顔になる彼は両腕を開いて、早く欲しいと催促した。
「はいはい。そう急かさないで」
私は緩慢な動きでソレを構え、
・ ・ ・ ・ ・ ・
盛大にぶっぱなした。
2発、3発とリロードを繰り返して手持ちの弾を全て撃ち込むと、暫く何も聞こえなくなる。
やりすぎたかと心配していると硝煙の向こう側から彼の大きくて白く長い手が伸びてきた。
「啞rぃガ騰ォねle」
頭を撫でる優しい手つきがくすぐったい。
「ほんと、ヘンなヒトね。鉛玉ブチ込まれて喜ぶなんて。普通、無いわよ。それに貴方から頼んでくるんだもの」
彼の身体に空いた穴が元に戻るのを見届けて私は首を振った。
「満足いただけたかしら?」
「m颶@ァ:■■■※゚鬮ヌ餵gr」
「言語化できないほど良かったのね」
呆れ半分、嬉しさ半分で笑うと彼も楽しそうに顔を歪めた。
そしておもむろに背中側からもう一対の腕を伸ばすと、大きな花束を差し出した。
「ダis烏kだァよ」
「……あら。どこでそんな言葉を覚えたの?」
頬がじわじわと熱くなり始めているのを自覚してしまう。
顔を背けて隠したいが、彼の無邪気でまっすぐな瞳はそれを許さない。
私は観念してその素敵な贈り物を両手で受け取った。
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人間の娘と人外のプレゼント交換
1/23/2025, 11:04:02 AM