うみ

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 ※10/24のお題「行かないで」加筆しました。


 ──君だけを照らすことができたなら。


 輝く金髪、深い紫の瞳。どちらも貴族によく見られる見目だ。自分は下町で育った、ただの庶民だというのに。

 実のところ、貴族の血は入っている……らしい。自分を一人で育ててくれた母が昔言っていた。普段はきはき話す姿と違って、言葉に詰まりながら。

『お前の父親は貴族だけど……もう、いないから。気にしないで』

 母は、父だという男のことを夫とは呼ばなかった。それはつまり、そういうことなのだろう。自分の家族は母ひとり。それだけのことだ。


***


「君の金髪、きらきらしてて綺麗だよねえ。遠くから探しててもすぐ見つけられる」
「……そう?」
「うん。太陽みたい」

(暗がりの中で)

 後日加筆します。

10/28/2024, 11:57:42 AM