ライ麦粉

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 「将来の夢は。」

 語って微笑ましく観られなくなったのは、何時だった?
 向けられる笑顔が、次第に嘲りに変わったのは、何時だった?

 けら、けら。
 ──知ってるか? あいつ、有名人。
 けらけら、けらけら。
 ──知ってる知ってる。学校一、イタイやつだろ?
 けらけらけらけらけらけら。
 ──現実見ろよ。脳内お花畑かよ。
けらけらけらけらけらけらけらけらけらけらけらけらけら。
 

 「…………は、っはは」

 全く、滑稽だ。なあ? そうは思わないか。
 嫉妬か? 羨望か? 優越か?
 何れにしても醜いだろう?

 笑われたなら、良いじゃあないか。
そんな言葉が一体どれ程稚拙なのか、分かっていないのか。

 「呆れたな」

 そういって、嗤い返してやれよ。

 知ってるさ、そんな事をするやつが一番醜い。醜いやつにはなりたくない。

 だから、今だけで良い。今だけ、他人を嗤う自分が一番嫌いな奴の、ふりをしてみろよ。

 自分に持てる、精一杯の虚勢で、ただ一瞬だけ、背徳感に浸って周りの全てを見下してやれ。

 なあ? たまには。


 道化の如く生きてみろ。

【スマイル】

2/8/2023, 5:58:43 PM