裏山があったら裏山に埋めていた。 だけど、裏山なんてないから、8キロ離れた小高い丘の、いちばん大きい桜の木の下に埋めた。散り積もった落ち葉をかき分けて埋めた。やがて雪に埋もれ、静かな冬が来るだろう。 春になったら、小高い丘の上には桜の花が満開になるだろう。丘の上から風に乗って春を運ぶだろう。 風の便りを聞いたら、僕はまた君に逢いに来よう。 小高い丘のいちばん大きな桜の木の下に。【どこにも書けないこと】
2/8/2023, 3:30:39 AM