駒月

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『どうすればいいの?』


 新しく家にやってきた用心棒は、無愛想で無表情なひと回りも下の男の子。はっきり言って生意気すぎる。斜に構えてて腹が立つ。でもね…、

「アンタは綺麗だ」

 そう言って私の髪に簪を挿した。

「少しは俺の言うことを聞け」 

 そう言って私を引き寄せた。

 ほんのり頬を赤く染めながら、私を思いっきり喜ばせてくれた。
 決して愛の言葉は口にしないけれど、私は彼が好きだし、彼も私のこと……。ああ!身分の違いさえなければ、きっときっと結ばれるのに。

 どうすればいいの?どうすれば一緒に──



「──ねぇ。駆け落ち、しちゃおっか?」

 目を丸くする彼の手を取り微笑んでみた。

「アンタと一緒なら、それも悪くないかもな」

 不敵に微笑む彼。
 月明かりの下二人、そっと屋敷を抜け出した。

 この胸の高鳴りはどうすればいいの──?
 

11/21/2023, 11:15:32 AM