怪々夢

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10/3 唐揚げ
 ドアが閉じる寸前に、何とか電車に滑り込む事ができた俺は、座席に腰を下ろす。
 今日はいつになく空いていて、目の前に座っているのは一人だけだった。大学生にしては幼く見えるその男の子は、買ったばかりの唐揚げをビニール袋に顔を突っ込んで食べている。油を垂らしながら、むしゃぶりついているが、一口食べる度に顔を捻っている。
 それはまずい時のジェスチャーなのか?それとも美味しいもの食べる時の癖なのか?俺と目が合うと気まずそうに、袋を閉じた。ただまだ未練があるのだろう。数秒置きに、ビニール袋をいじるし、割り箸で唐揚げの位置を直していた。

10/3/2024, 4:05:27 AM