夢見てる

Open App

キャンドル

自分の誕生日のように浮かれる私を尻目に、彼はショーウィンドウの中、綺麗に飾られたケーキをじっと吟味している。どれも素敵だね、と言いながら少し膝を曲げガラスに顔を近づけ、ケーキを見る。私と同じように彼が膝を曲げ「お前が好きなのはなんだ?」ケーキから目を離さずに問いかけた「私は定番のショートケーキ好きだな」そう答えると彼が、ならそれを買おうかと提案してきたので慌てて「tksmの誕生日なのに私の好きなの食べるなんて」と言うと、tksmはくすりと軽く笑いながら、好きな物食べて幸せそうにしてるお前の顔を見ながら食べた方が俺も幸せだ。なんて恥ずかしげもなく言うので、こちらが顔を赤くしてしまう。
可愛い誕生日用キャンドルも貰っちゃおうか!少し興奮気味に言うと、彼はやれやれと言った感じで了承した。誕生日用のキャンドルを貰い浮き足立ちながら店を出る私に彼は、「俺の誕生日なのにお前が今日1番楽しそうだ」と目を細めて幸せそうに笑うので「好きな人の誕生日ほど幸せな日はないよ」と少し勇気を出して彼の手を自分から繋ぎながら伝えると、彼はそっぽを向いてしまった。彼の耳が赤くなっていたのは見知らぬ振りをしておこう。

tk

11/19/2021, 2:34:39 PM