君が涙を流してたくさん泣いている。
お願い、どうかそんなに泣かないで。大丈夫だよ。
僕の事なんて忘れてくれていいから、だから一人きりに
ならなくていいんだよ。
「───どうして、私を残して死んじゃったの。」
震える体を抱きしめるけれど、両手は体をすり抜ける。
君の涙の理由を僕は知っているのに止めてあげることも
出来ない。だけど。それでも僕は。
「ごめんね、一人にして。」
君が泣かなくなるその日まで僕はここにいるから。
「───愛してるよ。」
この声もきっと届かないけど、何度でも君に伝える。
『涙の理由』
10/10/2023, 1:25:29 PM