桜散る道を
あなたと歩いていた。
私が桜にうっとりしていると
少し先を歩いていた彼が立ち止まった。
振り返って
目が合う。
「大好きだよ」と言われた気がした。
途端に強い風が吹いた。
私は思わず目を閉じた。
目を開けると
彼がいなかった。
でも、彼が立っていた場所に
お揃いの
桜のキーホルダーが落ちていた。
彼の誕生日が4月だからだ。
私はなんとなく思った
もう会えないんだなって
あれから、桜の季節になると
あなたを探すようになった。
ねぇ、まだ私
桜のキーホルダー持ってるんだからね
あなたの分も。
ねぇ、会いたいよ
桜と共に彼は散った。
4/17/2024, 10:30:59 AM