恋したあるまじろ

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俺には彼女がいる。
「美味しいね緑くん」
奏はにっこりと満面の笑みを浮かべながらもぐもぐとステーキを食らう。
高くもない飲食店で二人、ちょっとした贅沢をする。
……幸せだ。

---出来るならあと一時間こうして一緒にいたかった。話したかった。でも、それはお互いに言わない約束をした。だからーー。


あぁ、全てが終わる。



「はっ」
時計を見ると針は7時を指していた。仕事の時間だ。顔を洗い支度をする。朝ご飯はインスタントのカップラーメン。ステーキ、食いたいな。
家を出て会社までの道を見渡す。今日という道の先を乗り越えて俺は彼女に逢いにいく。

夢の中でしか逢えない彼女に逢うために今日も俺は社会の奴隷だ。







7/3/2024, 3:10:32 PM