君と約束をしたあの日、
ジメジメと暑く
半袖が丁度いいくらいの頃だった。
君と私、
2人の少女は駄菓子屋で涼んでいた。
ふと、
君がポケットをゴソゴソとした。
この前トランシーバーを買ったからと
1つ私にくれた。
糸電話みたいで楽しくて
ずっと遊んでた。
帰り際に君はこう言った。
もし歳をとって
君も私もトランシーバーのことを忘れたら
どっちかが思い出した時コールしよう。
それで、今日みたいに報告ごっこしよ。
少し小さな小指を揺らして
指切りげんまんをした。
あれから数年経ったけど
私はついさっきまですっかり忘れていた。
覚えることが山積みで
トランシーバーどころじゃなかったんだろう。
君が出てくれるかわからないけど
コールしてみることにした。
もちろん約束を守って。
"Good Midnight!"
こちら、白雲峠より旅に出た者です。
状況報告します。
星が降っています。
いい夜です。
話す内容はスラスラと出てきた。
しかし返事が返ってくることはなかった。
君は今どこで何をしてて
約束の記憶とトランシーバを
どこへやったのだろう。
4/3/2025, 5:00:00 PM