「どうして流れ星に願い事をするの?」
隣にいるキミとベランダに出て、煌めく星たちを眺めていたら、不意にそう聞かれた。
「え…急にどうしたの」
「だってさ、どうせ宇宙の彼方に消えていくんだよ?意味ない気がする…」
「ふふ。そう考えると願い事って儚いよね」
そう話しているとキラッと一筋の光が走った。
「あっ!ねぇ!今見た!?すご…めっちゃ綺麗」
「ホントだね…」
さっきまで迷信を信じていなかったくせに、見えた瞬間、目を輝かせてはしゃいでいる。
「なんて願い事する?」
「もし君がこの空に迷っても、絶対見つけ出して傍にいたい」
「っ、え?」
普段こんな情熱的なことを言わないキミに、少し驚く。ちらっと横にいる恋人を見ると、星を見つめたまま平然としているが耳が赤くなるのが分かった。
「…流れ星に絡めてみたらこうなるのかな、って。う…なんか恥ずい」
「えぇ〜めっちゃ嬉しかったよ?」
笑ってみせると、頬を赤らめながらもつられるように微笑んだ。
「じゃあ、あんたは何て願い事する?」
「ん〜?秘密」
「ええー?けちー」
ははっと笑い合い、ああ、この時間がいつまでも続けばいいのに…と思った。まあ、自分の願い事は――恋人の言葉を借りるなら
"この空で出会った君をどこまでも守ってみせる"
かな…なんて。
ゼッタイに言ってやらない。
10/12/2025, 12:52:54 PM